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廻る世界の中心に 気がつくと
廻る世界の中心にそよいでいた

その日 
わたしはスクランブル交差点にいた
空はしとしと笑っていた

信号が変わると光は青く濡れた
黒赤緑透 色に揺れる傘々
こぼれるビー玉 滑らかな人々
しとやかな喧騒を踏んでゆく

漂いほどける視線
その中心
なだらかな水たまりのむこう
わたしと目があった

なにしてるの
むこうを覗く
ぬかるむ微笑みと足元
髪先からこぼれる雫

気がつくと
ふたつの足でアスファルトにぶらさがっていた
誰もいない
色もない 
底のない空が
しとしと笑っているだけだった

見わたせば
世界はとめどなく廻っていた
わたしといえば
溢れるしじまの中心にそよいでいた

いつまでここにいようか
いつまでここにいるのだろうか
白い光がぬるく瞬いている