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ドレスと少女

スーツを着た男達が建物の門に群れていた。

建物は古い屋敷で、あたりには寺院が立ち並んでいる。屋敷の前の道は坂になっていて、黒塗りの高級車が乗り付けては男達が現れた。彼らは互いに近づき、ひそひそと話す。なにがあるのだろうか、そこには並々ならぬ緊張感が漂っていた。

早くこの場を離れた方がいいのだろうか、と大袈裟に考えていると、ふたりの少女が現れて不意に腑に落ちた。結婚式があって、スーツの男達は入念な打ち合わせの最中なのだと。

少女たちは姉妹のようで、白いドレスに白い髪飾り、ふりふりの付いた白い靴下をはいている。背の低い妹は白くふわふわとしたドレスがお気に入りのようで、表情一つかえない男達にかまわずに、飛び跳ねて笑っている。お姉ちゃんはドレスを見てから、妹と男達を交互に見て、少し困った顔をしていた。

するとお姉ちゃんの視線か、妹の動きかに気づいたスーツの男の一人が姉妹のもとに駆けよった。男はしゃがんで、妹になにかはなしている。妹がうなずくと、男は姉妹と手をつないで建物に戻っていった。遠くなるにつれ、黒服の男達のなかで姉妹の小さな白いドレスはとてもまぶしく見えた。

新郎新婦のことは知らないけれど、白いドレスの天使に祝福されるふたりは、笑顔になるにちがいない。